ごあいさつ

「歴史情緒豊かな町並み 倉敷でぜひお会いしましょう」

2015年3月に開催される日本集団精神療法学会第32回大会に向けて、第1報をお届けします。現在皆さまにとって有意義な大会になりますようにとの願いをこめて、今回の大会の準備を進めております。

中国地方では、2007年に広島で大会が開催されましたが、岡山県での開催は初めてです。江戸幕府の直轄領「天領」であった倉敷は、物資の集積地として非常に栄えた町で,今なお歴史ロマン薫る白壁の商家や倉敷川沿いの柳並木など江戸の情緒を感じさせる文化と歴史が絶妙に調和した町です。

文化と歴史の町,倉敷での学会のテーマを「集団精神療法における治療文化と歴史性」としました。いつもの大会のテーマに比べ、少し堅苦しさをお感じになるかもしれません。このテーマが選ばれたのは2つの理由からです。第一の理由は,第30回大会の長野のCGSミーティングで,本学会には様々な学派があって分かりにくい,との発言があったことが気になっていたからです。集団という場における精神療法には様々な学派やアプローチがあります。第31回大会の髙林健示会長の言葉を借りれば,様々な「いれもの」があるとも言えます。「和を以て貴しとなす」は日本文化の美徳の一つです。しかしながら,一度ここで立ち止まって,和をなす前に,各学派がどのようなスタンスで治療を行っているかということを明確にし,交流し合い,これからの世代の学会員に伝えることが今後の本学会の発展を考えるうえで重要なことではないか,と考えたことが第2の理由です。

このテーマのもと,大会長講演,特別講演,シンポジウムは一つの流れとなります。私は,大会長講演で対象関係集団精神療法について語りたいと思います。僣越ですが,これは「ビオン-ガンザレイン-高橋」という歴史のなかでの治療文化について語ることでもあります。そして特別講演は高橋哲郎先生にお願いしました。米国のメニンガー・クリニックと日本での臨床経験からお話して頂きます。またシンポジウムは,各学派を代表する皆さんにお願いしました。どなたがシンポジストかは次のご案内,学会当日を楽しみにお待ち下さい。

会場の近くには大原美術館を始め、倉敷考古館、児島虎次郎記念館などの名所が沢山あります。大会でお疲れになったら、趣深い美観地区の町並みを散策してみてください。夜の幻想的なあかりの中での散歩もおすすめです。2015年3月28、29日は、桜の蕾がほころぶ春の倉敷で、ぜひお会いしましょう。

日本集団精神療法学会 第32回大会 大会長 権 成鉉
(医療法人 ミネルヴァ クリニックソフィア)

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